鳳凰三山全校登山実施計画/事前学習計画


平成22年度 南アルプス市教育委員会指定
   「南アルプス市自然体験事業」

 芦安中学校 全校登山実施計画

1 ねらい 

(1) 地域との関わりの深い鳳凰三山への登山体験を通して,山を知り,地域との関わりについて考え,そこに生きる人々の想いに気づくことにより,誇りを持って地域に関わっていこうとする心情を育む。

(2) 大自然の中で生きていることを実感できる活動において,希望・不安・達成感などを共有する中で,仲間を見つめ,自己のあり方に目を向け,今後の生き方について考えを及ぼすことができるようにする。

 

2 日時  《本番》 平成22年7月16日(金)~17日(土)

※荒天時は19日(月)~20日(火)に延期

《下見》 平成22年7月2日(金)~3日(土)

 

3 場所  鳳凰三山(地蔵岳・・・2764m 観音岳・・・2840m 薬師岳・・・2780m

 

4 参加者 ※5月26日現在

〔生 徒〕1年生9名,2年生4名,3年生4名

〔指導者〕 清水 准一さん〔NPO芦安ファンクラブ事務局〕

〔支援者〕 内藤 真二さん〔芦安駐在所〕

宮澤 泰子さん・高橋 裕美さん〔環境省自然保護官〕

花輪 初代さん〔NPO芦安ファンクラブ〕

 斎藤 秀樹さん〔南アルプス市文化財課〕

 廣瀬 郁実さん〔仏像ガール〕

  千野八十之さん〔学校関係者評価委員/学校応援団コーディネータ〕

長澤 廣秋さん〔北岳ゆめ倶楽部〕

青柳 秀哉さん〔山梨日日新聞社〕

〔職 員〕 輿水哲男校長,齊藤光裕教頭,池田賢二,山田理恵,齊藤和貴,
     中込景子,
八巻里江,看護師

〔保護者〕                                   

               

5 行程 

1日目 (めやす)


 4:50 学校集合 健康観察

5:00 学校発(ジャンボタクシー)

6:00 広河原 着  準備・体操・グループ毎あいさつ
 
6:30 広河原 発 登山開始!!

6:45 白鳳峠入口

10:30 白鳳峠  11:45 高嶺

12:45 地蔵岳 着 ⇒ お地蔵様奉納

13:45 地蔵岳 発

15:00 観音岳

15:40 薬師岳小屋 着

      夕食

       ※星と飛行物体の観察会?

就寝

2日目めやす)


 4:00 起床・御来光・出発準備

 朝食・ボルダリング体験

7:00 薬師岳小屋 発

8:20 南御室小屋 着

9:30 苺平

11:00 杖立峠

12:30 夜叉神峠小屋

13:30 夜叉神の森登山口 着

13:45 下山式

14:00 登山口 発(ジャンボタクシー)

14:30 学校 着


 6 事前学習計画 

地蔵岳に届けよう!
~芦安に生きる私たちの想い~

 

1 はじめに(企画にあたって)

芦安中学校では,北岳・仙丈ケ岳・鳳凰三山と3年間で芦安にある3つの山に登ることを伝統としている。したがって,今年度はその1サイクルの締めくくりの年でもある。一昨年度は,自分たちでルートや時間配分を「考え」て登ることをテーマとし,昨年度は,自分が感じとったものを写真と言葉で外へ「表現」することをテーマとして取り組んできた。それらの取り組みのまとめとして,その「考え」の元になるものは何か。「表現」したいこととは何か。そういった自己の内面にあるものとじっくり向き合い,自分自身と対話をしながら,自己の想いを深めていくことが必要なのではないかと考えた。

 

2 取り組みのねらい

     芦安の山の歴史や芦安とのつながりを学ぶことで地域への想いを深め,芦安に住む者としての誇りをもつ機会とする

     想いを込めて仏像を作る中で,自分自身と向き合い,これからの自己の生き方を考える場とする

 

     郷土学習の観点から

地蔵菩薩は子どもを守る仏であり,芦安地区にも数多くのお地蔵様が奉られている。そして,それらは地域に住む人々がこれまで守り伝えてきたものでもある。自分たちの住む地域にどのようなお地蔵様が存在し,どのような想いで守られてきたものなのかを知ることによって,自分たちの住む地域に対する関心を高め,自分自身も芦安住民としてどのような想いをもって生きていくべきなのかを考えるきっかけになるのではないだろうか。この学習を通して,子どもたちが芦安に対する愛着と誇りをもち,地域住民の一員であるという自覚を新たにしてくれることを目指したい。

 

     自己実現の観点から

本校の子どもたちは豊かで鋭い感性があり,実にたくさんのことを感じ取る力を持っている。しかし,「なぜそう思うのか」「そこからどうしたいのか」という問いに対しては明確に答えを出せないことも多い。関わる大人が多いこともあり,自分自身で考え出し,その想いに従って自信を持って一歩踏み出す勇気に乏しいともいえる。このような実態からも鑑みて,自己の内面へと目を向け,自分の想いを明確にする力を養うことは,これから自分の道を選択し切り拓いていかなければならない中学生にとって,必ず求められることではないだろうか。

 

3 学習計画(総合10時間)

登山は頂上に立つことや,美しい景色や草花を眺めることだけが目的ではない。自分なりの想いをもって登山に臨むことや,苦しい歩みの中で,これまでの自分自身やこれからの在り方を見つめることもその目的となる。だからこそ,やり遂げたときの達成感も大きくなり,山に登ることが成長へとつながっていくのである。

今年度の全校登山では,①鳳凰三山が古くから信仰の山であり,地域と深いつながりがあること。②仏像ガールとの出会いの中で,子どもたちが仏像に興味を持ち始めていること。③修学旅行という3年間の学習の集大成である行事につながっていくこと。以上の3点から,「芦安地区を改めて見つめる→お年寄りを含めた地域の人々の昔からの想いを知る→自らの郷土への想いを新たにする→その心を込めたお地蔵様を彫り,地蔵岳賽の河原へ奉納する」という流れで取り組みを進めていきたい。