7.16-17鳳凰三山全校登山完全報告!


 「過去最高の登山だった!」芦安中20年来の登山指導者である清水准一さんが口にした今回の登山・・・お待たせいたしました。感動の登山の様子を以下に少しだけ(75/2000ほど)紹介いたします。

《出発⇒白鳳峠》

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 7月16日。午前5時。これからはじまる2日間を占うかのような、素晴らしい朝焼けの中…

 いよいよ出発。おにぎりやパンの袋に「がんばれ」と書いてくれたお母さんたち。ありがとうございました。  広河原のインフォメーションセンター前にて入山式。9名もの指導者・支援者の皆さん。事前学習から深く関わっていただいた「先生」たちが参加してくださったことが、今年度のテーマである「つながり」を感じられる出来事でもありました。
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 チームごとに自己紹介タイム。登山中も和気あいあいと笑顔で話をしている姿が見られました。  登山道入り口で、准一さんからの諸注意を聞き、  いざ、出発!頑張るぞ!!
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 と、気合を入れてみたものの…。いきなりの急登で早速のペースダウン。  トレーニングをしてきたとはいえ、キツイ登りに息が上がります。一体この先、どこまで登ればいいのか…  そんな時、先頭を行くAチームの1年生から「ファイトー!!」「がんばれ~!!」の元気な声。今年の登山はここが違いました。自分もつらいけれど、みんなを励まそうとする気持ち。子どもたちの温かい想いが山に響き渡りました。
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 それにこだまするように、下からも「ファイトー!一発!!」…?? ともあれ、みんなに笑顔が生まれました。仲間の存在の力強さに気付いた子どもたち。徐々に足どりも確かなものに。  緊張のハシゴを登り終えると…  青い空が目の前に!一気に視界が開けます。ふり返れば勇壮な北岳の姿が!空の青さと北岳の力強さに勇気づけられ、次の一歩を踏み出します。

《白鳳峠⇒地蔵岳》

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 白鳳峠を越えて、高嶺までの道は危険な岩場の連続です。クライミングのトレーニングを生かして、慎重に…  ところが!「意外と楽だった☆」「楽しかった♪」と楽勝の感想をもらす子どもたち。すごいです…。  「ここ、危ないですよ。気をつけて。」と、支援者に「支援」するY君。
 

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 「先生!風が気持ちいいよ!!」とさわやかな笑顔を見せてくれたYさん。  そうこうするうちに…。見えた!!あそこが目指す頂、地蔵岳です。  さあ、あと少し!ここを下って登って、下って登れば!って…。道のりはまだ長そうです。
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 たどり着いた時、地蔵岳は神秘的な雲のベールに包まれていました。大昔から祈りの対象であったこともうなずける姿でした。  でも、元気いっぱいの子ども達の声に圧倒?されたのか、みんなで記念写真を撮るころにはすっかり晴れて青空が!(「能天気な山担当のおかげ」とは、指導者Sさん談。)  賽の河原に下りた子どもたち。お地蔵様の数の多さにびっくりです。20キロを優に越すものから手のひらに乗るかわいらしいものまで。
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 「想いを込めて運ばれてきたんだよね。」仏師見習い?である子どもたちは、そこに込められた人々の想いをきちんと感じ取ることができるようです。  奉納式では、准一さんと仏像ガールさんからお話を聞き、  それぞれが思い思いの場所へ奉納します。
 

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 お団子をお供えして…  仏像ガールさんに教わったように、手を合わせて祈ります。  
 

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 「芦安に住むみんなの笑顔がいつでも輝いていますように…」  2人のお地蔵様は、こんなぴったりの場所に奉納されました。 みんなが奉納した岩場の入口には・・・。 
 

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 「芦安にたくさんの人が来てくれますように…」  お地蔵様の団地?   無事に目的を達成して、晴れやかな2年生チーム。
お地蔵さまがあなたたちを見守ってくれますように…。


《地蔵岳⇒観音岳⇒薬師岳》 
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 さあ、次は鳳凰三山最高峰2840mの頂、観音岳へ。  ここからの子どもたちはみんな笑顔。  お地蔵さまパワーでしょうか??
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 途中でであったお地蔵さまに合掌。たくさんのお地蔵さまに出会ってきた彼らは、自然に手を合わせるようになりました。  無事に観音岳に到着!  頑張ったごほうびは、太陽と雲と風と山々が織りなす壮大な自然の絵画でした。「これってスゴイとしか言えないですよね!!」とは、1年生のS君。本当に感動したときは言葉が出てこないんだってことが、よく分かったようです。
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 めざす方向には雲間から薬師岳の双耳峰が出現!  ふり返ると、あのオベリスクが見守ってくれています。  さあ、いよいよ1日目のクライマックス、薬師岳到着です。先に着いた仲間がぶんぶん手を振っています。「頑張れ~あとちょっとだよ~!!」
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そんな声を聞いたら、やっぱりこうなりますよね。「みんな~、ありがとう~!!」  つらかった道のりを越え、感極まって泣いてしまった1年生をやさしく抱きとめる3年生Aさん。「よく頑張ったね。大丈夫だよ。笑顔で小屋まで行こう。」  薬師岳まであと少しのところで苦しくなって座り込んでしまった友を心配して、頂上から走って戻ってきたS君。すっと手を差しのべ「荷物、オレがもってやるよ。」


 《薬師小屋にて(「感動の夜明け」付)》
  翌朝、4時。まだ、夢の中の子ども達をたたき起こして、薬師岳まで猛ダッシュ。「朝日は待ってくれないよ!!走れ!!」危うく酸欠になりかけた子ども達でしたが、樹林帯を抜けたところで真っ赤に焼ける空を目にして、今度は呼吸が止まりそうになりました。
 



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 広河原を出発してから実に11時間。午後5時30分、ようやく薬師岳小屋に到着です。ご主人の小林さんが温かく出迎えてくださいました。予定より遅れてしまった私たちを心配して、薬師岳まで見に来てくださっていたそうです。ありがとうございました。  さて、お待ちかね、夕食の時間です。見てください、この満面の笑み。山に来て、温かいご飯とお味噌汁のありがたみを知ったからこその笑顔です。下から30キロもの荷物を背負って食材などを運んできているそうです。  夕食のあと、1日の反省を述べるAさん。「大変だったけど、みんなが励ましてくれたのでここまで頑張れました。最初からあきらめちゃいけないと分かりました。」
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 お地蔵様とみんなの想いを書いたプレートを薬師岳小屋に。また、いつか会いにきますね。  そしてまた、刻々とその色彩を変えていく自然の美しさに…。  言葉を失う時間となりました。
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 太陽がすっかり顔を出した後は、それぞれが、薬師岳頂上での幸せを満喫しました。  時間を忘れて、ただ空を見つめていました。  時に語らい、時に黙って。
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 「北岳が焼けてるよ!」  「ボク、こんな景色、テレビの中でしか見たことありません…。」  ただ、空を見つめたり…
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 ちょっと怪しいテンションになったり…  そのうち、みんな高いところへ…  「薬師岳のてっぺんに登りたい!」となり…
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 こんな行列に!!でも、怖くてなかなかてっぺんまで上がれません。  最初に成功したのは、3年生Aさん。さすがです!  続いて、「私はあきらめ隊でいいわ。」と言っていた仏像ガールさんも!!あきらめなくて、良かったですね♪
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最後に「どうしようかなあ。無理っぽいしなあ。」と悩んでいた2年生Eさんも成功!!頑張ったね☆  みんなが大満足で小屋へ下りた後には、タカネビランジが岩の隙間で可憐に咲き始めていました。  一生忘れることのない思い出を、ありがとうございました。
  img_6752 梅雨明けの雲の下には来年目指す北岳と再来年の仙丈ヶ岳が並んでいました! 




《薬師小屋⇒夜叉神の森(下山)》

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 薬師岳小屋から約1時間。南御室小屋でおいしいお水をたくさんいただいて、元気になった子ども達。  長い下りの道も元気いっぱいに歩き通しました。  下山道でもお地蔵さまに出会いました。鳳凰三山は、本当にお地蔵様や神様がたくさんいらっしゃいました。
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 昨年の自然パトロールで取り付けた看板もまだまだきれいに残っていました。  夜叉神峠小屋での最後の休憩。まだまだ、元気いっぱいです。  夜叉神峠小屋のご主人、角田さんと支援者千野さん。実はこのお二人、お隣さんです。
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 ゴールまであと10分。無事にここまで来られたことを山の神様にご報告です。何度も通ったこの道に山の神様がいたことに、今回初めて気付きました。ここまでの取り組みがあったからこそですね。

 そして・・・、ついに!!
長かった道のりのゴールがやってきました!!

 支えてくれた支援者とがっちり握手。喜びをかみしめます。
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 先輩も後輩も関係なくハイタッチ。芦安中学校ならではの光景ですが、そのつながりはこの2日間を通してさらに強まりました。  「先生~無事帰ってこられて良かった~」  「よくがんばったな。おつかれさん。」